Q1:ダウン症は病気ですか?
人間は一人ひとり、違いをもっています。ダウン症は、生まれつきの特性(性格や体質のようなもの)の一つと考えたほうがいいと思います。
Q2:なぜダウン症になるのですか?
私たちの体のたくさんの細胞の中には、46本の「染色体」というものが入っています。たまたまそれを47本もって生まれてきたのが、ダウン症のある人たちです。
偶発的に起こることがほとんどで、誰にでも起こり得ることです。性別や人種、経済状況などにかかわらず、どの国にも約800人から1,000人に1人の割合で生まれます。
Q3:どんなふうに育つのですか?
発達が緩やかなことなどダウン症の影響はあるものの、基本的には個性豊かな「普通の子、普通の人間」で、私たちと大きな違いはありません。ですから、子育ても特別でなく、少しゆっくり、丁寧にすればいいのです。発達支援は必要ですが、難しく考える必要はありません。ご家族が温かい気持ちで接し、お子さんを大切に思う心からの愛情を注ぐことで、お子さんは明るく元気に育っていきます。
Q4:ダウン症のある人たちは病気になりやすいのですか?
ダウン症のある子は一般の子より病気がちと思われていますが、それほどではありません。なかには病気と縁のない子もいます。ダウン症の併発症(合併症)といわれるものも、一般の子がかかるような病気の頻度が少し上がるだけです。また、ダウン症のある人にはあまりみられない病気もあります(たとえば、真性喘息、川崎病、新生児仮死による重い脳性麻痺、癌など)。
病気に対して神経質になりすぎてはいけませんが、万一の場合を考えて、早期発見と適切な治療のために、かかりつけ医をつくっておくことは必要です。「いつもと違う。何かおかしい」と思ったらすぐに診察を受けることと、定期的な検診を受けることが、病気の悪化を防ぎます。
ただしこれは、きょうだいにも言えることです。ダウン症のある子だけでなく、きょうだいの心身の健康にも気をつけましょう。
Q5:学校はどうなりますか?
地域の小中学校へ通うか(普通学級か特別支援学級に在籍)、個々の状況に応じて特別支援学校を選びます。高校は特別支援学校へ進む人が大半です。
Q6:友達をつくることはできますか?
もちろん! 明るくてやさしいのがダウン症がある人たちの自慢です。人なつっこい性格で、学校でも職場でも、たいていの場合、うまく溶け込むことができます。
Q7:仕事はどうしていますか?
施設や作業所での軽作業のほか、飲食店や小売業など、さまざまな分野で多くの人が働いています。趣味を生かして画家や演奏家などを目指す人もいます。プロの書道家、ダンサー、俳優として活躍している人もいます。